TOB(株式公開買付)って何?持っている株はどうなるの?

TOB 株
NTTが2020年9月に発表したNTTドコモへのTOB(株式公開買付)。
過去最大規模ということもあり大きく報じられました。

「でも、TOBって何だろう??」って思いませんでしたか?
身近な企業、そして規模も大きいとのことでこのTOBが何なのか気になる人は多いと思います。

そこで今日は、TOB(株式公開買付)について解説していこうと思います!(`・Θ・´)

TOBとはどんなもの?

TOB 買付 株
TOBとは、企業が別企業の株の買付を株式市場外で行うことです。

株式公開買付とも呼ばれますが、その名の通り「買付期間・買付株数・買付株価」をあらかじめ公表して行われるものです。

誰に公表して募るかというと、それは私たち投資家。

投資家は普段、株式市場で株の取引をしていますが、TOBは原則として市場外で買付を行います。

金融商品取引法という法律で、上場企業の株式を取得する際、取得後の保有割合が3分の1を超える場合はその買付をTOBで行わなければいけないと定められていますが、よくニュースになるTOBはこのことが理由なのがほとんどです。

また、取得後の保有割合が該当しない場合でもあえてTOBを選択をすることがあります。

もし企業が株式市場で相手企業の株を大量に注文・買付をした場合、競争が激化して想定より高い金額で株の買付をすることになってしまう可能性があります。

それを避けるために、あらかじめ買付株価を決められるTOBを利用する、というわけです。

ちなみに、なぜ3分の1を超える場合はTOBじゃないといけないのかというと、保有する株が3分の1を超える株主は、株主総会の特別決議を単独で否決することができるからです。

経営にとても重大な事象となりますので、TOBで事前に情報を公開して投資家を守ろう、ということなのですね。

どういう時にTOBが行われるの?

TOBを行う主な理由は
・相手企業の経営権を得るため
・相手企業を自社関連会社にするため
・グループ会社を完全子会社にするため
等が挙げられます。

そしてTOBには、友好的TOBと敵対的TOBがあります。

友好的TOBとは、相手企業やその経営陣とTOBに関して合意ができている状態、すなわち「お互いが分かってて行うTOB」です。

今回NTTが発表したTOBはグループ会社(NTTドコモ)の完全子会社化が目的ですので、友好的TOBとも言えます。

対して敵対的TOBとは、相手企業やその経営陣等の事前合意を得ずに行うものです。

あまり言い方は良くないかもしれませんが、敵対的TOBをされた企業側からすれば「乗っ取られようとしている」状態です。

敵対的TOBの救世主!?ホワイトナイト

TOB ホワイトナイト
敵対的TOBを仕掛ける企業と仕掛けられる企業。
実はそこに、第三者が参入することがあります。

敵対的TOBを仕掛けられた企業にあえて友好的TOBを行い、敵対的TOBから守ってくれる。
そんな救世主のような企業のことを「ホワイトナイト」と呼びます。

ホワイトナイトは敵対的TOBよりも高い買付価格でTOBをしたり、第三者割当増資(新株を引き受ける権利)を引き受けるなどといった対抗策を行います。

ただし、友好的TOBが成功すれば敵対的TOBを仕掛けた企業からは守られますが、結果的にホワイトナイトの傘下に入ることになります。

そして第三者割当増資とは、第三者に割り当てる増資、つまり新株の発行です。

タイミングよく新株を発行して発行株の総数(分母)を増やし、それをホワイトナイトに持ってもらえば、敵対的TOBで狙われている「経営権を得るために必要になる株数」が得られなくなります。

経営権は得られなくなるので敵対的TOBは失敗に終わる、つまりホワイトナイトの防衛成功ということになります。

TOB発表で株価はどうなる?

冒頭でも解説したとおり、TOB発表の際は買付期間・買付株数・買付株価が公表されます。

何とか既存の株主に株を売ってもらうには、株主が「売ってもいいな」と思うようないい条件を付けないといけません。

ですので、一般的にTOB発表時に公表される買付株価には、「プレミアム」と呼ばれる上乗せ(市場価格の20%~40%のことが多い)がされます。

すると、「現在の株価で買ってTOBの買付に応じれば益が出る」という考えで株式市場でも買いが集まり、株価が上昇します。

今回のNTTのドコモに対するTOBの場合、TOB発表直前の終値が2775円、公表されたTOB買付価格が3900円でした。
なんと前日終値から40%超のプレミアムがつく形となります。

NTTドコモの株価は「TOBに関して取締役会が開かれる」という報道の時点から株価が上昇、一時はストップ高にもなりました。

このように、TOBは株式市場でも株価に影響を与えるものということなのです。

ただし、TOBは不成立や中止になることもあります。

敵対的、友好的、ドコモのように完全子会社化、そしてディスカウントTOBというプレミアムが付かないものなど、TOB一つとっても背景や状況が様々です。

また、敵対的TOBでホワイトナイトが現れたとしても、防衛成功となるかは分かりません。

「TOBだからいい材料なんだ!」という考えではなく、状況をしっかり見て判断するようにしたいですね。

持ってる株がTOBに!どうすればいい?

TOB 株 口座
ここまではTOBがどういうものか、株価にどう影響を与えるのかを解説しました。

次は「既に保有している株がTOB対象になったらどうすればいいか」を解説します。

どういったTOBでどういった状況か、によって取るべき行動は異なりますが、一番重要なのは「TOBによってその株が上場廃止になるか上場維持するか」の点です。

今回のドコモのTOBは完全子会社化によるものですので、最終的にドコモの株は上場廃止となります。

この場合、「TOBに応じる」か「株式売渡請求を待つ」か「上場廃止までにタイミングをみて株式市場で売却する」になります。

TOBに応じる場合、公開買付代理人となっている証券会社に株を移して(移管)から手続きをすることになります。

公開買付代理人となっている証券会社で既に口座を開設していればいいのですが、そうでない場合は口座開設するところから手続きをすることになります。

ここがめんどくさく感じて「売渡請求が来るまで待てばいいか」「上場廃止になる前にいい所で売ればいいか」と思う人もいるようです。

今回のドコモのTOBはTOB価格と売渡請求の金額が同じとのことですので、時間は掛かるかもしれませんがこの方法でも進められそうです。

また逆に、TOB後も上場維持する(TOBの買付株数に上限が設けられる)場合は、「TOBに応募する」か「応募せずに保有し続ける」、「タイミングをみて株式市場で売却する」のどれかになります。

TOB終了後に株価が大きく変動することも考えられますので、慎重な判断が必要となります。

過去のTOB事例を見てみよう

以上を踏まえて、ここで過去実際にあったTOB事例を見てみようと思います。

目的やプレミアムなどにも注目して見てみてくださいね。

三洋電機・パナソニック電工
  • 買付社:パナソニック
  • 実施年:2010年
  • 目的:子会社化
  • TOB価格:三洋電機138円、パナソニック電工1110円
  • 結果:成立

パナソニックが三洋電機とパナソニック電工の2社を完全子会社化するために行ったTOBです。

TOB価格は、三洋電機が直前1か月平均株価に+21.1%上乗せのプレミアム、パナソニック電工が直前1か月平均株価に+22.1%上乗せのプレミアムとなりました。

デサント
  • 買付社:伊藤忠商事
  • 実施年:2019年
  • 目的:経営への影響力(3分の1超の株保有)
  • TOB価格:2800円
  • 結果:成立

こちらは伊藤忠商事がスポーツ用品大手のデサントに行った敵対的TOBです。

直前1か月平均株価に+50.38%上乗せのプレミアムのTOB価格となり、行方が注目されました。

オリジン東秀
  • 買付社:ドン・キホーテ
  • 実施年:2006年
  • 目的:経営への影響力(3分の1超の株保有)
  • TOB価格:2800円
  • 結果:不成立(ホワイトナイトの出現)

ドン・キホーテがコンビニエンスストア事業を立ち上げるために、オリジン弁当を展開するオリジン東秀に敵対的TOBを仕掛けたものです。

オリジン東秀はイオンに支援を要請し、イオンは3100円で友好的TOBを行いました。

結果、ドン・キホーテの敵対的TOBは失敗。
ホワイトナイトであるイオンの友好的TOBが成立し、オリジン東秀はイオンの子会社となりました。

ジーンズメイト
  • 買付社:RIZAPグループ
  • 実施年:2017年
  • 目的:子会社化・資本提携
  • TOB価格:160円
  • 結果:成立

こちらはRIZAPグループがジーンズメイトに対して行った友好的TOBです。

主に創業者一族からのTOBを目的としていたことと上場を維持する方針だったため、直前1か月平均株価のー17.10%がTOB価格となる「ディスカウントTOB」が行われました。

過去の事例からほんの一部を紹介しました。

以上のことから、TOBはそれぞれが目的や内容が異なる、ということが分かりますね。

TOBについて【まとめ】

今日はTOBについて過去の事例もあわせて解説してきました。

大きく分けて敵対的と友好的の2つのTOBがあり、子会社化だったり経営権の取得だったりと理由も様々。

上乗せ価格であるプレミアムが数十%付くことが多い中、方針によってはディスカウントになるTOBも存在する、ということが分かりました。

そしてホワイトナイトが登場する場合もあり、必ずしもTOBが成功するとは限らない点もポイントです。

過去のTOB事例を見ていると、「なんかドラマみたいだなあ…」と思いませんか?

実際、人気ドラマ「半沢直樹」にもTOBが取り上げられていました。

ドラマで起こるようなことが生で体験できるのが株の世界なんですね…(・Θ・;)

今後ドラマや実際の株取引でTOBが出てきても、今日のまとめを思い出せばもうバッチリですね!

長くなりましたが読んでいただきありがとうございます!また次回も読んでくださいね!(`・Θ・´)ノシ

 

執筆者 かっぱ

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